エアコン取り付け手順


【フローチャート】エアコンの取り付け方.html

 

 

1.Fケーブルが外にある場合は中に入れておく:屋外にFケーブルが出ているなら配管穴から屋内に入れておく。

2.室内機を背板にかける:【配管を屋外で繋ぐ場合】配管穴に配管を入れながら、室内機を背板に近づけていく。室内機の上側を背板にかける。上がしっかりかかったのを確認してから下側を背板にはめる。下側は室内機のストッパーが背板にかむようにする。下側がしっかりかかると室内機が固定されて、手前に引いても動かなくなる。

【注意点】
・室内機の下側が歪んでいるようなら、下側のストッパーがしっかりかかってないか、もしくは電源コードなどが引っかかっている可能性があります。
・室内機の右下のコーナー部分が外れない機種は室内機の下側を固定する前にFケーブルを端子盤まで通しておく。それと電源コードも必要な長さ以外は室内機の裏側に入れておきます。

【配管を室内機の裏側で繋ぐ場合】室内機の上側だけかけて、室内機の裏側にエアコン取付けホルダーをかませて下側は浮かせておきます。

3.配管を接続する:下記画像の手順でフレアナットを接続します。


室内機側の溶接ユニオンの先端にナイログを必ず塗布します。フレア外面やナットねじ部に付着しないように注意します。ナットを手締めでキツく締まるところまで締めます。モンキーレンチを溶接ユニオン側にかけます。フレアナット側にはトルクレンチをかけてトルクレンチを時計回りに回してフレアナットを締めます(※トルクレンチの矢印が下向きになるように回します)。

トルクレンチのトルクがかかるまでゆっくり回します。この時トルクがかからないこともあります。その時はキツく手締めした位置から2分は90度で締めるのを止めます
3分は120度で止めます4分も120度で止めます。※締める角度は必ず守って下さい。締めすぎるとフレアが潰れてガス漏れの要因になります。

締める角度が分かりづらい時は、フレアナットと溶接ユニオンにマジックなどでマーキングをして確認します。



【トラブル事例】
・フレアナットを締めすぎてフレア部分が潰れてしまった。
改善:フレアを作り直す。フレア付近で銅管が変形してない部分をパイプカッターで切断する。フレアツールを使ってフレア加工する。フレアが溶接ユニオンまで届かないようなら、フレアユニオンを使用して延長する。

 

4.室外機で真空引きをする:真空ポンプのチャージホースを室外機のサービスポートに繋ぐ。チャージホースの先端のアタッチメントのバルブを時計回りに回す。ホース接続部の緩みがないのを確認して真空引きをかける。真空ゲージの電源を入れて-100が表示されるまで待つ。

5.真空ゲージが-100を表示したら1分待って真空ポンプを止める:-100が表示されたら真空ゲージから真空ポンプの間のコックを閉める。真空ポンプの電源を止める。

6.真空ポンプを止めて1分待っても-100のままなら真空ポンプを外す:この時必ずチャージホースの先端のアタッチメントのバルブを反時計回りに回してからチャージホースを外す

【-100から数字が変わる場合】
・-99から-100をいったりきたりする場合や、-99で止まったままなら真空引きが足りない可能性があります。追加で3分ほど真空引きをかけます。

・-99、-98、-97、-96…と数字が増えていくようならエアー漏れしている可能性が高いです。まずは配管接続部を外してフレアを再加工して配管を繋ぎ直します。再度真空引きをしても数字が変わるようなら、室内機溶接部分(アルミフィン周辺)からのガス漏れの可能性が高いです。その場合は一度室外機のガスを5秒ほど開放してガスが漏れている音でガス漏れ箇所を特定します。
(下記画像のU字部分付近がアルミフィンで漏れやすい箇所になります)


アルミフィン周辺からのガス漏れの場合はアルミフィン交換の修理が必要です(製造から5年以上経過したアルミフィンは経年劣化でのガス漏れの可能性が高いので、基本はお客様負担で修理していただくことになると思います)

7.室外機のガスを少し開放する:真空引きが終わってチャージホースを外したら、小さい管(2分)側のバルブを六角レンチで反時計回りに回して5秒間ガスを出します。5秒後に時計回りに回してバルブを再度閉めます

8.配管接続部でガス漏れ検査:配管接続部にガス漏れ検査スプレーを噴き付けます。フレアナットの隙間に検査液を入れるイメージです。検査液をかけたら接続部を軽く動かします。ここで泡がブクブク出たり、泡が膨らんだりするようならガス漏れが起きています(実際に漏れている様子はこちらの動画が参考になります)。その場合はフレアを作り直して配管を繋ぎ直してから、再度真空引きをします(配管接続時は必ずナイログを使用します)。

9.室外機のガスを全開放する:ガス漏れがないようなら室外機のバルブを2分側から全開にします。六角レンチで半時計回り回して固くなるまで回します。固くなったら最後に少しだけ力を入れて増し締めします。3分側も同じように全開します。バルブ開放が終ったらバルブとサービスポートのナットキャップを3箇所締めて、室外機のフタを閉めます。これで室外機の操作は終了です。

10.配管の断熱処理をする:補助配管の断熱材の切れ目を目で見える位置に合わせてビニールテープで止めていきます(断熱材の切れ目が真下に向かないように注意する。真下に向くと切れ目から結露した水が垂れる可能性があります)。手が入りにくい場合は長めの結束バンドを使用して断熱材の切れ目が閉じるように止めていきます。次に補助配管と配管側の断熱材の隙間に断熱テープを一周巻きます。最後に断熱シートを補助配管の切れ目があった部分に巻きます。断熱シートは1mぐらいの長さで切って丸めてから包帯を巻くように巻くとやりやすいです。断熱シートの最後の固定はビニールテープで固定します。

11.Fケーブルを接続する:Fケーブルを室内機の裏側から端子盤のところまで通します。端子盤の黒(1)、白(2)、赤(3)にFケーブルの黒、白、赤と同じ色を接続します。


まれに黒、白、赤を逆に接続しているケースがあるので、必ず外した時と同じ位置に接続します。端子盤の小さい穴からFケーブルの先端が見える位置まで差し込みます。差し込みにくい場合はピックライトを配線の後ろに当てて親指と挟んで押すと入りやすいです。配線がしっかり入ったら抜けないか確認します。

12.ドレンホースを接続する:ドレンホースの繋ぎ部分はビニールテープで固定します。ビニールテープの固定があまいとドレンホースが抜けて水が別のところに流れてしまうのでしっかり固定します。ドレンホースとドレンホースの接続部分がゆるい場合はオス側にビニールテープを巻いてゆるみが無くなるようにして接続するとしっかり固定できます。

【室内機に直接ドレンホースを接続する場合】
室内機裏側にエアコン取付けホルダーを付けているなら外します。ドレンホースを室内機の接続部に挿してネジで固定します。

【注意点】
換気ホースやお掃除ホースが付いた機種はドレンホースを接続する前に接続しておきます。ドレンホースは一番最後に接続すると覚えておいてください(特殊ケースでドレンホースから接続する場合もあります)。

13.排水テスト:ドレンホースを接続して、室内機の下側も背板に固定できたら排水テストをします。ガーデニング水差しを使ってドレンパンに水を流します。室内機のドレン接続部から漏れがないかしっかり確認します。水漏れがないのを確認できたら排水テストは終了です。

14.各パーツを取り付ける:取り外した順番と逆にパーツをはめていきます。

15.テスト運転をする:全てのパーツを取り付けたら、テスト運転をします。お掃除機能付き機種はリモコンでフィルター手動掃除をします。フィルターがちゃんと動いているのを確認できたら停止します(フィルターが動いてから3分ほどは様子を見たほうがいいです。途中で異音がしたりすることもあるので)。
次に暖房運転をします。最高温度に設定して30分の切タイマー(なければ1時間の切タイマー)を設定します。暖房運転をすることで運転確認と、室内機の乾燥が同時にできます。暖房を運転して温風が出れば運転確認は問題ありません。あとはタイマーで切れるまで運転させます。もしくはお客様にタイマーを待たずに20分ほどで停止してもいいと伝えておきます。

16.室内機をワックスで拭き上げる:最後に仕上げでワックスを使って室内機を拭き上げます。ワックスを乾いたタオルに付けて拭き上げます。このワックスは汚れ取りと光沢を出す効果があるので、よりキレイに仕上がります。これで全ての作業は完了です。お疲れ様でした。

 

 



2023年09月30日